吉田サウンドラボラトリー

音(サウンド)を扱う電子デバイスの工作をしています。

ラジカセでラジコを聴く「ラジカセコ」の製作

概要

メルカリでジャンク1200円で購入したラジカセにラズベリーパイを搭載し、Radiko再生機能を持たせました。フロントパネルの押しボタンをRadikoの選局等の操作用に改造しました。

元のラジカセから追加した機能

Radiko

 エリアフリー再生(Liveモード)

 タイムフリー録音 お気に入りリストに登録した番組を録音・再生(Playモード)

元のラジカセ機能で残っているもの

 FM/AMラジオ

 サラウンド

元のラジカセから削除した機能・使用できない機能

 カセットテープレコーダー 故障。

 CDプレイヤー 動作はしていたがフロントパネルをRadiko

   操作に使用するため使用不可。

 リモコン 故障。

 外部入力 Radikoからの入力に置換。

 電池 電池BOXのスペースにラズベリーパイを組み込む。

 

製作記録

フロントパネル押しボタンスイッチ信号の取り出し

写真中央に浮かんでいる白いコネクタが、フロントパネルからきている押しボタンスイッチ信号線3本を取り出したものです。コネクタは1本余り。メイン基板へつながっている残りの線は液晶表示用の線です。

PLAYボタンは専用の線が出ていますが、他のボタンは線を共用していて、ボタンごとに異なる抵抗値の抵抗がつながっています。

コネクタ メイン基板上シルク  
1 PLAY 再生/一時停止(S501) ONでGNDへ短絡
2 GND  
3 KEY

GNDとの抵抗値
STOP             S503       1.8kΩ
SKIP-             S504        7.7kΩ
SKIP+            S505        4.4kΩ
REPEAT       S506  12.4kΩ
PROGRAM    S507        22.3kΩ

 

そこで次のような回路を組みました。押したキーに応じてADコンバータに入力される電圧が変化します。

20msごとにAD変換した結果をダンプするプログラムを実行し、キーを次々に押して、結果をグラフにプロットしてみます。

 

何も押していないとAD変換値は1000付近で、キーを押し込むとADコンバータに入力される電圧に応じた値が出力されています。

最後に押したキーはSKIP+  です。使い込まれていたようで接触が悪いようです。AD変換結果が安定していません。

SKIP+キーの下の基板上に実装されているタクトスイッチを外し、手元にあった新しいものに交換します。

同じようにAD変換結果をプロットしてみます。

最後の部分、安定したようです。

AD変換値の範囲がどこからどこまでが当該キーが押されたものと判断するか理論値に基づいて決めます。

例えばAD変換値が107~207の範囲の値だったら、STOPキーが押されているものと判断します。

キー検出のスレッド(ドライバ)で20msごとにAD変換し、結果が上記表の下限~上限内の範囲だったら、該当するキーのキーコード(STOPキーだったら0)をパラメータにセットし、メインスレッドのキーハンドラ関数をコールします。

 

 

ラズベリーパイの組み込み

電池BOXにラズベリーパイを組み込みます。

左は5V電源です。ACインレットから100Vを引いてきています。

ユニバーサル基板中央がADコンバータ

コネクタは左から5V,音声出力、キー入力

音声出力はラジカセの外部入力コネクタへ内部で接続。

 

操作パネル表示の変更

「外部入力」を「ラジコ」にします。

「リピート」を「モード」にします。

 

各キーの機能